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陶芸教室で自作した器が、料理の最高のスパイス

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なんでも興味を持つ私の母がテレビで陶芸家のドキュメンタリーを観て一言。
「私もやりたい」
還暦を過ぎてもいろんなものに興味を持てる母に関心しつつ、
「じゃあ陶芸体験してみる?」
と提案してみたところ、即
「してみたい!」
と答えてくれた。
早々に近場の陶芸教室を調べて連絡し、体験へ。
調べてみると、壊れた器を直す『金継ぎ 教室』というのもあるんだそう。
母は大きい平皿を作ってみたいと陶芸の先生にリクエストしてアドバイスを受けながら土を懸命にこねてめんぼうで伸ばしていた。
こんな茶色の土が食器になるなんて不思議だと思い、先生に聞いてみると土で形を形成し完全に乾かした後に釉薬という液体にひたした後に焼くと白やら青やらの色がついた焼き物が出来るという。
「なるほどな」と私が感心しているなか母は不器用ながらも目的である大きな平皿を作っていた。
素人の仕事はここまでで後の釉薬に浸したり焼いたりするのは先生がやってくれるそうだった。
母は作った平皿をどの色にしたいかの紙をもらっていた。
てっきり何色にするか迷うのだろうと思っていたが何の迷いもなく白に丸をつけた。
悩むものだと思ったと母に言うと、
「だって白のほうが食べ物が美味しく見えるんだよ。」
と一言。
「そんなものなのか」
と思いつつ、色指示の紙を先生に渡して母とともに陶芸教室を後にした。
一ヶ月後白く綺麗に色付けされた平皿が家に届いた。
やはり不恰好な形のお皿ではあったが母ととても喜びその日の夕飯はそのお皿でおかずが出てきた。
そのおかずは確かにいつもより美味しそうに見えて母が言っていた白は食べ物が美味しく見えると言うのは間違ってはいないのだなと思った。